ここ最近のセットで存在感のあるアートがちらほらと見られるので、よくよく見てみると同一のアーティストのアートであることに気づいた。
筆者
とりあえず現在(2019/08)のスタンダードのカードで言うとここら辺である。
この味にじわじわとやられた筆者はSeb Mckinnon氏について知りたくなった次第である。
Seb Mckinnon氏の魅力に迫りたい
Seb Mckinnon氏の来歴など
Mckinnon氏のサイトによると下記のようにイラストから映像、音楽まで作っているアーティストのようである。
Seb Mckinnon氏はフリーランスのイラストレーター、コンセプトアーティスト、そしてフィルム・映像制作も行なっている。
Five Knights Productionなる制作会社も経営しており、ビジュアルコンテンツに特化した会社である。
サイドワークとして、CLANNと言う名義で音楽の制作も行なっている。
Wikipedia(英語)情報によると、氏はカナダ出身である。
2012年にウィザーズ・オブ・ザ・コーストよりマジックの基本セット2013のイラストについて話があり、現在に至るまで80余りのイラストを担当しているそうな。
Seb Mckinnon氏はエルドレインの王権のキーアートも担当! キーアートができるまで
こちらは2019年の秋発売予定の新セット「エルドレインの王権」のキーアートである。
童話をモチーフにした世界観を示す、非常に魅力的なアートと言えよう。
なにやら本人のツイートにて、このアートができるまでの過程が紐解かれていた。
翻訳しつつ見ていきたい。
訳はかなりあやふやなので元のツイートをご確認いただくのが最善だろう!
やむなし!
エルドレインのキーアートについて
ダークフェアリーテイルがコンセプトである。
求められたことは次の1点であった。
- 中央に、プレインズウォーカーロゴのような噛んだ跡のある赤いリンゴ。
これはなかなか挑戦的な内容だろう…
PROCESS THREAD- Throne of Eldraine Key Art. Mood goal: dark fairytale. The brief initially asked for one focal element: a central red apple with a single bite shaped like the Planeswalker symbol. I knew right away that was going to be challenging… (1/8)
— Seb McKinnon (@SebMcKinnon) August 7, 2019
これが最初に送られたスケッチである。
魔女?うむ。騎士?ふむ。暗い森?クール。妖精は王女の手から毒リンゴを回収する?OK。問題は、どうやってそこにプレインズウォーカーのロゴを入れるのか? リンゴの一口のように見せるにはどうすれば良いのか?
Here is the first sketch sent. Witches? check. Knights? Yep. Dark forest? cool. Faeries whisking away a poisoned apple from the hand of a princess? Ok. Problem though… how do I include the Planeswalker logo in there? How do I make it look like a bite out of an apple? (2/8) pic.twitter.com/zn3VBQOdS8
— Seb McKinnon (@SebMcKinnon) August 7, 2019
私はリンゴに関する懸念についてADのMatt Cavottaに連絡し、お互いに簡単なリンゴのモックアップを送り、それを機能させようとした。
私はこの時点でそれに良い感触を感じていなかったので、別の解決策を考えてみたのである…
I wrote back to AD Matt Cavotta about my concerns about the apple, and we sent each other some quick apple mock-ups, trying to make it work. I wasn’t feeling it at this point, so I tried to think of another solution… (3/8) pic.twitter.com/tNiaktAihf
— Seb McKinnon (@SebMcKinnon) August 7, 2019
かみ傷の代わりに、リンゴがロゴのような形の毒を滴下したらどうだろうか。
最初は大丈夫なアイデアのように見えたが、最終的にはマットと私はどちらも機能していないように感じた。
私はマットに尋ねた:この作品の焦点はリンゴである必要がありますか? 助かることに、彼はノーと言った。
What if instead of a bite, the apple dripped poison shaped like the logo. Seemed like an ok idea at first, but in the end, Matt and I both felt like it wasn’t working either. I asked Matt: Does the focus of this piece need to be apple? To my relief, he said no. 🙏(4/8) pic.twitter.com/sfkFkKJ2Fw
— Seb McKinnon (@SebMcKinnon) August 7, 2019
チャレンジを放棄したくなかったので、数日間それを続けた。
最終的に、私はマットに手紙を書いて、このリンゴで私が完全に信じていたスケッチを作成できないことを彼に知らせたので、私はすべてを破棄し、ゼロから始めた。
I didn’t want to abandon the challenge, so I kept at it for a couple of days. Eventually, I had write to Matt and let him know that I could not produce a sketch I fully believed in with this apple, so I scrapped everything and started from scratch. (5/8)
— Seb McKinnon (@SebMcKinnon) August 7, 2019
私はエルドレインの王権のアートガイドを読み直し、そこにこの新しいスケッチを提案するきっかけとなった内容を見つけた。
マットはこの解決策を気に入ったが、右側の赤い果実が気を散らすため制御下に置いておくよう頼まれた。そしてロゴ部の赤と手のリンゴも取り除くことに。
(訳注:訳がよくわからん)
I re-read the Throne of Eldraine art guide, and found a paragraph in there that inspired me to propose this new sketch. Matt liked this solution, but asked to keep the distraction of the red fruit on the right under control- they took away from the logo and apple in the hand(6/8) pic.twitter.com/pSjFeZqoaU
— Seb McKinnon (@SebMcKinnon) August 7, 2019
レンダリングと完成には多くの時間を費やした後、私はこれを最初のパスとして送った。
マットはロゴのシルエットが少し失われたことを指摘し、城のトーンを暖色に寄らせつつ城を遠ざけないようにするよう話があった。いいね!
(訳注:訳がよくわからん)
After much time rendering and perfecting, I sent this as a first pass at final. Matt pointed out how the silhouette of the logo was lost a bit, and asked to warm up the castle, but not too much as to keep it pushed back in the distance. Good call! (7/8) pic.twitter.com/EaIQ34mbFL
— Seb McKinnon (@SebMcKinnon) August 7, 2019
ラスト。この過程を記したスレッドを楽しんでいただきたい。アーティストとADがどのように連携するか垣間見ることができるだろう。
マットに感謝する! 大変なチャレンジであり、楽しい時間であった。
いかがだっただろうか?
興味のある方はこちらから印刷できるのでご覧いただければと思う。
And lastly, the final. I hope you enjoyed this process thread, a glimpse of how artists and ADs work together. Thank you to Matt Cavotta! It was a great challenge and a fun time. Happy how it turned out 🙂 Prints are available here if interested! (8/8) https://t.co/BHaWUu6PGI pic.twitter.com/Kex3fv69Z0
— Seb McKinnon (@SebMcKinnon) August 7, 2019
訳はともかく、キーアートの制作過程を垣間見れる素晴らしいスレッドである。
こんなカードもSeb Mckinnon氏が担当!
モダンホライゾンではここら辺のカードを担当
魂寄せも圧倒的な不穏さで描かれておりたまらないものがある。
思考の流れなんかも非常に面白いイラストである。どうでも良いのだが筆者はフォイルカードを引き当てている。
またリミテッドではなかなか良さげな叶えられた祈りも美しいアートである。
ルーンの与え手大好きな筆者は俄かに好き度が上がってしまった。
また無声開拓地も急に4枚揃えるか!?などと思い始めた。
比較的最近発売されてるカード
ベルゼンロック典礼もなかなかインパクトがある。
まだスタンに止まっているイクサラン界隈の吸血鬼も一部担当されている。
マスターズにもちらほら担当カードがあるが抜粋してここら辺を紹介しておく。
モダンでも見覚えあるカードたち
最強生物を作りたい魂剥ぎや、スピリットなんかで活躍中の無私の霊魂、親和にて使われるバネ葉の太鼓、色が合えば使われることが多い便利な暗殺者の戦利品、リビングエンドに入ったりするイフニルの魔神、そして正直あまり見ないがサリアっぽいペガサス・ヴリンの翼馬なんかも氏の仕事となる。
トロフィーこと暗殺者の戦利品もMckinnon氏であったのは意外だったが、よくよく見ればタッチはもろMckinnon氏であった。
いつ来日しても良いようにと気になるカードは徐々に集めておきたいところである!
そんな気はする。
おわりに
ということでSeb Mckinnon氏の紹介であった。
今後も氏のアートに要注目であろう。
ちなみに余談だが、氏は大層イケメンである。
またTwitterでは氏の魅力的なアートの制作過程を垣間見れるツイートを数多くしている。
気になる方は要チェックである。