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MTGの公式サイト(英語)にて連載されていた、体系的MTGプレイング講座「Level One」を筆者の備忘メモとして翻訳・要約していく記録である。
筆者
そんなわけで要約と翻訳を掲載していく。
訳は誤りもあり得るので適宜原文にもあたってみていただきたい(そしてDeeplにかなり頼っている)。
参考
LEVEL ONE: THE FULL COURSEMTG(英語)
LEVEL ONE – 「PLAYING IN A GRAND PRIX: PART II」グランプリでのプレイ その2【要約】
参考
PLAYING IN A GRAND PRIX: PART IIMTG(英語)
【要約】内容はこんなかんじ
- ジャッジは大会を運営する存在であり、プレーヤーのサポートをしてくれる
- 常に敬意を持って接しよう
- 特にGPのような大規模大会では多くのジャッジが運営に尽力している
- わりと何でも教えてくれる(会場内のトイレの場所とかも)
- ルール上の疑問はプレーヤー間で解決せずジャッジを呼ぼう
- プレイの時間には気をつけようプレーヤー双方で気をつけよう
- 引き分けは成績に悪影響を及ぼすので気をつけるべし
- 大きな大会後には反省する時間を設けよう
【翻訳】「PLAYING IN A GRAND PRIX: PART II」グランプリでのプレイ その2
ということで以下訳である。
画像はMTGの公式サイトの原文ページより引用させていただいている。
Posted in Level One on May 26, 2015 By Reid Duke
序文
前回は、マジックの大規模トーナメントに参加する際の注意点をご紹介した。
今回は、トーナメント中、そしてトーナメント後にできることをご紹介する。
THE ROLE OF JUDGES ジャッジの役割
トーナメントが始まると、ジャッジはその運営を担当する。
要するに、ジャッジの仕事はプレイヤーが良い経験ができるようにサポートすることだ。
これには、トーナメントがスムーズに進行するようにすることや、ゲームの内外を問わずプレイヤーの質問に答えることなどが含まれる。
最後に、トーナメントが最も公平な結果になるように、ポリシーを施行する。
辞書を読むだけでは物足りないという方は、ジャッジがトーナメントを運営するために使用する300ページにも及ぶ書類をご覧いただきたい。
「The Comprehensive Rules of Magic」、「Tournament Floor Rules」、「Infraction Procedure Guide」だ。
ジャッジが助けてくれるということは、私たちプレイヤーがこれらを知らなくてもいいということである。
長くなったが、プレイヤーにとってジャッジは友人である。
彼らはあなたを助けたいと思っている。
ルールに関する質問に答えてくれたり、ゲームを学ぶ手助けをしてくれたりする。
ゲーム中の不正行為や不幸な誤解の犠牲にならないように、あなたを守りたいのだ。
最後に、彼らはあなたがトーナメントで楽しんで、将来またプレイしに来てくれることを望んでいる。
残念なことに、トーナメントに参加したばかりのプレイヤーは、何らかの理由でジャッジに助けを求めることができないことがある。
小学校の時にホールモニターに意地悪をされたのが忘れられないのかもしれない。
しかし、ジャッジはいつでも気軽に声をかけられる存在なのだ。
試合中にジャッジを呼ぶことは、「密告」ではないし、相手が不正をしていると非難することでもない。
ジャッジは素晴らしいリソースであり、彼らが提供してくれるものを利用しないのは大きな間違いなのだ。
ここでは、ジャッジがトーナメントであなたを助けてくれるものを簡単に(網羅的ではないが)紹介する。
- ジャッジはあなたが何かを見つけるのを助けてくれる。トーナメントへの登録場所、ペアリングの場所、トイレの場所、何でも。
- ルールに関する質問に答えてくれる。これは、ゲーム中やラウンドの間も含む。私は、家にいるときに疑問に思ったことは、次のグランプリでジャッジに聞くようにしている。
- トイレに行きたくなったら、ジャッジは許可を出してくれるし、試合の時間を延長してくれることもある。
- 彼らは、あなたの試合におけるどんな問題も解決してくれる。意見の相違、誤解、伝達ミスなどである。「前のターンに《タルモゴイフ/Tarmogoyf》で3ダメージの攻撃をしたが、今になって4/5にすべきだったと気付きました!」ジャッジはその手助けをしてくれる。
- ジャッジは、あなたか相手のどちらかが違法な行動をとった場合に対処してくれる。誰かがマリガンをして7枚のカードを引いた。誰かが1ターンに2枚の土地をプレイした。適切なマナを持たずに呪文を唱えてしまった。相手のデッキをシャッフルしているときに、カードを裏返してしまった。このようなことは大したことではないが、ジャッジはこれらのことを知っておく必要がある。ジャッジは、あなたができるだけ公平にゲームを終えることができるように適切な処置を行い、警告(またはそれ以上の罰則)が必要かどうかを判断する。
Warnings 警告について
グランプリに参加すると、ジャッジが警告を発するのを見ることがある。
あなたも警告を受けるかもしれない。
これは警告が一般的なものであり、大したことではないからだ。
警告は基本的に、ジャッジが 「二度とこのようなことをしないようにしてください」という公式声明である。
ただし、ペナルティがついているわけではない。
初めての大会で警告を受けても心配する必要はない。
警告は追跡されるものであり、それこそが重要なのだ。
マジックをプレイしていると、誰でもミスをするものだ。
呪文のために間違った土地をタップしてしまったり、ライブラリの一番上のカードを誤って消してしまったりすることは誰にでもある。
しかし、ジャッジはこれらのことを知り、追跡したいのだ。
もしあるプレイヤーが、すべての試合で5回も6回も間違った土地をタップして呪文を唱えていたら、それはアドバンテージを得るために意図的にやっている可能性がある。
警告を追跡することで、ジャッジはこのようなプレイヤーを特定し、調査することができる。
そのため、もしあなたが警告を受けたとしても、気にする必要はない。
警告を2回受けた場合は、プレーを厳しくするようにするが、気にしないようにしよう。
同じ日に同じ違反行為で3回警告を受けた場合は、ペナルティを受ける可能性がある。
もしあなたが長期的に警告を受け続けるパターンを持っているなら、ペナルティを受けるかもしれないが、これは簡単に避けられるはずだ。
When to Call a Judge ジャッジを呼ぶとき
ジャッジを呼ぶべきかどうか迷っている場合は、とりあえずジャッジを呼んでみよう。
彼らは助けるために存在していることを忘れないいただきたい。
家で友達と遊ぶときのように、一人で問題を解決しようとしないでほしい。
例えば、対戦相手が実際には死ぬはずではなかったクリーチャーを墓地に置いてしまい、次のターンになるまで誰も気づかなかったとする。
もしあなたが家でプレイしていたら、それを戦場に戻してゲームを続行するかもしれませんが、トーナメントではこのようなことをしてはいけない。
このような場合は、必ずジャッジに任せよう。
不明な点があっても相手の言葉を鵜呑みにしてはいけない。
Example A:
あなたは対戦相手の裏向きのクリーチャーに《憤激/Lose Calm》を唱えたが、それの表を見てもいいかどうかわからない。
対戦相手に聞くのではなく、ジャッジに聞いてほしい。(あなたはそれを見てもよいことになっている)
Example B:
あなたはマリガンをしたが、7枚のカードをテーブルに伏せて置いてしまった。
※訳注:当時は「バンクーバーマリガン」が採用されていた時期である。
相手はあなたに「ダブルマリガンで5枚になります」と言う。
相手の言葉を鵜呑みにせず、ジャッジに聞いてみよう。
(まだカードを見ていないのであれば、おそらく5枚までマリガンする必要はないだろう)
Example C:
あなたは呪文を唱えるつもりで土地を5枚タップしたが、何かを言ったりカードを公開したりする前に気が変わった。
土地をアンタップしていいのかどうかわからない。
対戦相手に聞くのではなく、ジャッジに聞いてみよう。
(あなたは自分の土地をアンタップしてもよいことになる)
不明な点があっても、相手の言葉を鵜呑みにしてはいけない。
相手はあなたの利益を考えていけない。
嘘をついているかもしれない。
それ以上に、ただの勘違いかもしれない。
どちらにしても、それがトーナメントに影響を与える理由はないのだ。
How to Call a Judge ジャッジの呼び方
まず、相手に何が起こっているのかを知らせる。
「ルールに疑問があるのでジャッジを呼びます」とか、「あなたが《対立の終結/End Hostilities》を唱えたときに白マナが1つしかなかったことに気付いたので、ジャッジを呼びます」といった具合である。
次に、手を挙げて「ジャッジ!」と叫ぶ。
トーナメントは混雑していて騒がしいことが多いので、かなり大きな声で叫び、手を上げたままにしておこう。
あなたの姿が見えればすぐにジャッジがやってくる。
何が起こったのか、詳細を漏らさず、自分の憶測も加えずに正確に説明しよう。
ジャッジは両プレイヤーの言い分を聞くか、少なくとも両プレイヤーが事実に同意しているかどうかを確認する。
正しい方法
「ジョンはこの5枚の土地をタップし、《敵対行為の終了》を唱えました。そして、彼は自分のクリーチャーを墓地に置きました。私は自分のクリーチャーを拾いましたが、墓地に置く前に、ジョンが白マナを1つしか持っていないことに気付いたので、再びクリーチャーを置いてジャッジを呼びました」
間違った方法
「相手は私を騙そうとしました。彼は自分が勝つには《対立の終結/End Hostilities》をプレイするしかないことを知っていたので、私に知られないように不正にプレイしようとしたのです!」
ジャッジは裁定を下す。
比較的単純な状況であればすぐに行われるかもしれない。
意見の相違があったり、ジャッジがさらに調査することを選んだ場合や、他のジャッジと相談したい場合には、ある程度の時間がかかることがある。
裁定には、ゲーム内での修正(《対立の終結/End Hostilities》 が唱えられる前に巻き戻すなど)、ペナルティ(対戦相手が 不適切に呪文を唱えたことにより警告を受けるなど)、 マッチを終了するための時間延長などが含まれる場合がある。
ジャッジが状況を適切に処理していないと感じた場合、あなたはその裁定に異議を申し立てることができる。
これは、ヘッドジャッジにセカンドオピニオンを求めることを意味する。
最初のジャッジが話し終えてから、「この最低を不服として訴えたい」 と言ってほしい。
ヘッド・ジャッジが意見を述べ、その決定が最終的なものとなる。
Be Nice to Judges ジャッジには親切に
ジャッジは人間である。
特に、私たちが愛してやまないゲームのために、ほとんど考えられないほどの時間を割いてボランティアで働いている人たちだ。
ジャッジがいなければ、今のようなトーナメントは存在しない。
また、ジャッジはミスをすることもある。
プレイヤーと同じように、ジャッジの経験値にも大きな差がある。
そのためにアピールシステムがあるのだ。
裁定に異議を唱えることを恐れずに、常に敬意を持って行動してほしい。
最後に、ジャッジというのは、時に感謝のない仕事でもある。
争いがあれば、ジャッジはプレーヤーのどちらか、または両方を不幸にするような決定を下さなければならない。
自分の思い通りにならない裁定が下された場合は、その場をやり過ごし、個人的に受け止めず、裁定を下したジャッジに八つ当たりしないようにしよう。
THE CLOCK 時間
ジャッジの議論の中で、私は時間延長について言及してきたが、それが何を意味するのか、まだ正確に説明していない。
グランプリでは(そしてほとんどのトーナメントでは)、50分間で2本先取の試合を行う。
時計が始まる前にプレイを始めることはできないし、時計がゼロになっても無視することはできない。
クロックがゼロになったとき、何らかの理由(ジャッジの裁定やトイレ休憩など)で時間の延長を受けた場合は、それだけ長くプレイし、さらに追加の5ターンプレイする。
時間が告げられたときに自分の手番であれば、「ゴー」と言ったときに相手の手番が1ターン目、次の自分の手番が2ターン目といった具合になる。
5回目のターンが終わるまでにゲームが終わらなければ、ゲームは引き分けとなる。
第2ゲームが引き分けの場合は、第1ゲームに勝った方が試合に勝利する。
第1ゲームまたは第3ゲームが引き分けで試合が終了した場合は、その試合全体が引き分けとなる。
トーナメントでは、勝利で3マッチポイント、引き分けで1マッチポイント、敗北で0マッチポイントを獲得することで順位が決まる。
このような単純なシステムであっても、引き分けが悪いことは容易に理解できる。
勝者と敗者がいる場合、合計3つのマッチポイントが与えられる。
引き分けの場合は、マッチポイントが2点しか与えられない。
2試合続けて引き分けになるよりも、1試合勝って1試合負ける方がいいだろう。
しかし、このシステムが示唆する以上に、引き分けはトーナメントでのチャンスに悪影響を及ぼす。
グランプリトーナメントは、非常に大規模で、トップヘビーなトーナメントだ。
何千人ものプレイヤーがエントリーするが、2日目に進出できるのは数百人、入賞できるのはそのうちの数パーセントである。
言い換えれば、あなたはホームランを打つことを求めているのであって、単に中位に留まることを求めているのではないのだ。
2日目の出場権を得るためのカットオフは、勝利数に基づいて行われる(2日目に出場するには7勝が必要だ)。
そのため、引き分けは負けと同じことになる。
経験上、6勝2敗1分(6勝2敗1引き分け)の成績で2日目に出場できないのは、とても残念なことだ。
ありがたいことに、50分という時間はかなり長いので、スピットなどの光速ゲームとは違う。
しかし、時間内に試合を終えるための努力は必要だ。
自分のペースでプレイし、シャッフルやサイドボードに数分以上かけないようにしよう。
対戦相手も同じように促そう。
対戦相手があまりにも時間をかけている場合、あなたは相手にスピードアップを求めたり、ジャッジを呼んだりする権利がある。
これらのことはルールに書かれていることを忘れないでほしい。
常にフェアなペースでプレイしなければならないし、一つの判定に時間をかけすぎてはいけないし、ゲームを引き分けにしたいからといってプレイのペースを落としてはいけないのだ。
ガイドラインとしては、ゲーム間のサイドボードやシャッフルに3分以上かけてはいけないとされている(ただし、これは厳密なルールではない)。
たとえ試合の序盤であっても、あるいは余裕で終わりそうであっても、両プレイヤーは公平なペースでプレイする必要がある。
ルール上、判断に必要な時間が決められているのであれば、それ以上に時間をかけてしまうと、不当に有利になってしまうのだ。
時間内に試合を終わらせたいからこそ、テキパキとプレーする習慣を身につけよう。
相手を急かしてはいけないが、ルールで決められている以上の時間をかけさせてはいけないし、時間切れのリスクを負わせてはいけない。
PLAYING OUT ALL OF YOUR ROUNDS 全てのラウンドを消化する
グランプリの初日は、9ラウンドのスイス方式で行われる。
つまり、すべてのプレイヤー(希望者)が9ラウンドすべてをプレイし、最終的な記録や順位に応じて2日目へのカットが行われるのだ。
2日目に進出した場合、記録はそのまま引き継がれるので、9勝0敗や8勝1敗の成績は素晴らしいものだが、3ラウンド負けた時点で、残りの日がどうなろうと2日目には進出できない。
しかし、私はあなたがトーナメントに残って、自分の成績がどうであれ、すべてのラウンドをプレイすることをお勧めする。
(ただし、やりたいサイドイベントがある場合や、体調不良などでプレイするのがつらい場合は除く)
トーナメントの経験は非常に貴重で、なかなか得られないものだ。
自宅や近所の店でゲームをプレイするだけでは、グランプリでのプレイを疑似体験することはできない。
大きな大会では、競争の激しい環境の中で、新しい相手とペアを組む。
誰もが最高のデッキを持ってきて、あなたを倒そうと必死になっている。
最高の練習になる。
グランプリでのプレイは、あなたをより良いプレイヤーにしてくれる。
たとえ1勝3敗の成績であっても、その日を最大限に活用すべきです。せっかくイベントに参加して、参加費を払って、デッキを組んで、カレンダーを1日空けたのだから。
せっかくのトーナメントの経験を無駄にしてはいけない。
ラウンドをこなしていけば、必然的にフォーマットや自分のデッキについての知識が深まり、大会前に設定した目標に向かって努力を続けることができる。
REFLECTION 反省会
大きな大会は、常に学びの場であると考えている。
勝っても負けても、自分の良いところと悪いところが必ず出てくる。
それらを記録し、自分のゲームの良い部分を強化し、弱い部分を改善するようにしてほしい。
健全な反省と、トーナメントで良い結果を出したいという気持ちのバランスをとるのは難しいことだ。
第6戦で大きなミスをしてしまったら、それを思い出して次回に活かしたいと思うのは当然である。
しかし、第7、8、9ラウンドをプレイしているときに、そのことを考えていてはいけないのだ。
そのためには、トーナメント終了後に反省のための時間を確保することをお勧めする。
日曜や月曜の夜、帰りの車の中などがいいだろう。
個人的な反省もさることながら、友達と話し合うのもいいかもしれない。
みんなは何を学んだのか、何を誇りに思ったのか、何を次の機会に変えるのか。
大会後に反省のための時間を確保することは、プレー中に頭を冷やすことができるということでもある。
前のラウンドで何が起こったかとか、一日の終わりにどんな記録を残したいかとかではなく、目の前の仕事に集中するのだ。
もしミスをしても、それを払いのけて、その状況を最大限に利用する。
すべてが終わってから、もう一度考えてみてほしい。
やはり、マジックのトーナメントは最高である。
その場に居合わせ、集中することができれば、きっと良い経験になるだろう。
友人やジャッジなどの大会関係者は、あなたがグランプリで楽しくプレイするためのリソースを提供してくれる。
しかし、それを最大限に生かすかどうかはあなた次第だ。
おわりに
ということでLEVEL ONE 番外編講義の2回目「Playing in a Grand Prix: Part II」について要約・翻訳をしてみた。
今回はグランプリを始めとした大きなトーナメントにでのジャッジと接し方、ゲーム時間の考え方、そして大会後の反省といった内容に触れることができた。
特に大会に出始めた場合には、ジャッジの助けを大いに借りよう。
コロナ後のマジックフェスとの際には是非実践したい内容と言える。